3月11日、東日本大震災記念日が巡ってきます。この時期、毎年思い出すのは津波の襲撃により街の大半が壊滅した陸前高田市のことを、そして震災後カウンセリング支援で訪問した際、対面した災害サバイバーの方々のことです。皆さんその後、平和で平穏な生活を取り戻したか祈る気持ちです。
突然、一瞬にして、愛する身内を、友を、津波に奪われてしまった。千年に一度のトラウマ体験です。サバイバーの皆さんは、そんな苦痛を抑圧して「辛いのは私だけではないから」「私よりもっと大変な人がいるはずだから」と遠慮し、謙虚に耐えていました。カウンセリングでは勇気をふるって想像を絶する心の痛みを徐々に、涙ながらに話してくださいました。
カウンセリングのご縁の一人、佳代子さん(当時ケアマネージャー)とは以来ずっとやり取りしています。彼女は災害による多重喪失の体験者。津波でご主人を亡くし、家を失い、在宅看護の患者さん多数を失い、さらに震災直後の自動車事故で自身の右腕を失い、三重苦・四重苦を負ってしまいました。どれ一つとっても理不尽で辛すぎる喪失です。
でも佳代子さんは、天性のおおらかでオープンな性格、抜群のソーシャルサポートゆえに、彼女だから、15年試練を乗り越えて再起再生したと思います。
この時期NHKの『心フォトスペシャル』で佳代子さんが取材されています。https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-X8X8QN3VRY/ep/YRJLR9KZ7P
今ではリタイアして、3人のお子さんたちと、またお孫さんも生まれて幸せに暮らしている様子。でも家族思いだった亡きご主人が生きていたら、「どんなに喜ぶだろうか」などと折に触れ思っているそうです。
写真:去年の暮れ、家族と一緒に立ち寄った陸前高田・追悼記念公園で撮ったもの〜一本松昔と今〜そして佳代子さんと盛岡で岩手山を見上げ心を癒す
陸前高田・街全体が消えた (2013年7月鈴木剛子撮影)