去る11月3日、ホスピスケア&グリーフケアの専門家、リース・グルート=アルバーツ先生(以下、リース先生)の指導による半日ワークショップが開催され、私も参加してきました。詳細は前回の投稿でご紹介済みですので、ここでは私の感想を述べることにします。
最終的な演題は「苦難の中に見つける光:ヒーラーよ、自らを癒せ」というもの。聴衆はこの演題に引かれて集まった印象で、緩和ケア(ホスピスケア)のナースやメンタルヘルスのドクターなど、多くの援助職の方々が参加していたようでした。皆さんそれぞれ、「自らの癒し」を求めて来られたのでしょうか。
まずリース先生は、ワークショップのファシリテーターとして、巧みに会場全体の一体感を生み出しました。そのツールとしてキャンドルが灯され、先生は「魂の光です。故人のため、今ここに共有する空間のため、私たちが立っているこの土地、このコミュニティのために、黙祷を捧げましょう」と静かに誘導しました。キャンドルはエネルギーの源であり、希望の光でもあります。少し緊張気味だった私たちの気持ちは自然と温かくなり、リース先生の「人間愛」に引き込まれていきました。
ワークショップの内容は奥深く興味深いものでしたが、何より心を打ったのは、全身全霊で私たちに向き合うリース先生の真摯な姿勢と、参加者を引き込み相互作用的に進める匠の技でした。その証拠に、参加者が自らの悩みを紹介する場面では、安心感に支えられて数名が勇気を出して手を挙げていました。アドバイスに納得する人、反省する人、涙ぐむ人もおられ、悩みはそれぞれユニークでありながら普遍的なテーマも含まれていて、皆にとって大変参考になったことと思います。
日頃、患者さんやクライエントさんなど苦しんでいる人々に寄り添い、その苦痛のほんの一端でも担い続けていると、癒し手自身の人間愛や思いやりが枯渇してしまうことがあります。リース先生は、そうなる前にこそ「癒す者こそ、自分の魂の声に耳を傾け、自らを愛し、チャージし直すことが大切です」と語っておられました。