11月23日は「グリーフを考える日」として制定されました。この記念日は、関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」が発信元となっています。今年は制定1周年を記念し、無料オンライン講演会などのイベントが開催される予定です。詳しい情報はこちらをご覧ください。
私はGCC(グリーフ・カウンセリング・センター)を中心に、過去17年間にわたりグリーフの啓蒙活動に取り組んできました。当初、「グリーフ」という言葉を知る人はほとんどいませんでした。しかし、GCCの講座やカウンセリング、大学の社会人向け講座などを通じ、時には海外の専門家を招きながら、まるで伝道師のように「グリーフ」と「グリーフケア」の重要性を広めてきました。この長い道のりを経て、ついに日本で「グリーフを考える日」を祝える日が来たことに、感慨深いものがあります。
グリーフ啓蒙のもう一つの柱として、専門書の出版があります。2006年に翻訳したロバート・ニーメヤー著『大切なものを失ったあなたに:喪失を乗り越えるガイド』は、今なおロングセラーとしてグリーフ学を学ぶ人々の定番ガイドとなっています。
当時、英語の grief は「悲嘆」と訳すのが一般的でしたが、私は「グリーフ」というカタカナ表記を主張し、編集者と意見が対立しました。それでも譲らず押し通した結果、今日「グリーフを考える日」という名称が使われ(「悲嘆を考える日」ではなく)、このカタカナ用語が市民権を得たことに、少し誇らしい気持ちを抱いています。この表記にこだわった理由については、また別の機会にお話ししたいと思います。
最後にお知らせです。来月、GCC主催のグリーフ・カウンセラー養成講座「一日・入門講座」を開催します。入門講座といっても、喪失やグリーフ学の核心に触れる内容で、上級者にも興味を持っていただける内容だと確信しています。ぜひご参加ください。