前回、本学会で、King’s University College死生学のビジョン・ミッションは今こそ必要で、有意義であると書きましたが、そのことについて続きを記します。
まず「ビジョン」は、『死とグリーフに関するリテラシー(識字)を地域社会と全世界に普及させる』です。
その意味は「死とグリーフ」の問題を専門家の研究テーマと限定せず、一般の人々が基礎知識を身につけ、死とグリーフにフレンドリーな社会を実現するということです。
そしてミッションは、『死をメディカライズする傾向を是正し、死を人生の一部として認識すること』 『グリーフをメディカライズする傾向を是正し、グリーフをノーマライズすること』です。
『メディカライズ』とは、死を医療の失敗と見る傾向や、グリーフ反応を精神疾患と見る傾向を指しており、それらを正すようチャレンジすると唱えているのです。
学会発表のおかげで、今回King’s 『死生学』 の志を再確認し、私は日本で過去17年間、こうしたミッションの実現に向けて歩んできたことを感慨深く思い返しました。
かつてと比べて日本の死生学、グリーフ学の発展ぶりは目覚ましく、今回日本グリーフ&ビリーブメント学会・学術会議でも、多くの新情報をゲットできて心強く思いました。
本学会の主催者の方々には絶大なるエールと尊敬の念を送りたいと思います。