秋たけなわ。アート、ミュージック、読書などじっくりたしなむシーズン到来です。私は今週、パイプオルガンのコンサートとピアノリサイタルに出かけ、音楽に心を洗われました。
日曜の夕べ、築地の聖路加チャペル(聖路加国際病院附属)で、『パイプオルガン奉献35周年記念』コンサートがありました。夕の祈りの時間に数名の専属オルガニストたちが崇高なオルガン曲を演奏してくれました。その一人、小野田良子さんとは旧知の中。彼女の奏でる音楽は水の流れのようにスムースで、透明で、心地よく、まるで桃源郷に誘ってくれるようでした。
私にとって聖路加国際病院とのご縁は実に深く、パイプオルガンの音色を聴きながら、次々と浮かぶ思い出の数々に耽っていました。我が子や孫の誕生を経験し、愛する家族を看取ったのもこの場所でした。聖路加にフォーカスして私の人生の絵巻物が描けそうに思います。
特に、29年前、夫は末期ガンでこの病院に入院し、最後の日々を過ごしました。その間、チャペルの司祭さん(チャプレン)には夫婦ともども精神的・スピリチュアルなサポートをしていただきました。29年もの歳月が過ぎたとは思えないほど、今でも当時のことを微細に鮮明に覚えているのです。
たまたまお誘いを受けて久々に訪れた聖路加チャペルでしたが、もしかして天国の夫が私を導いたように思えてきました。おりしも夫の命日が2週間後に迫っていることもあり!