新年を迎えて、年賀状に引き続き、初投稿させていただきます。本年も「グリーフの窓」をどうぞよろしくお願いいたします。
さてGCCでは、ここ2年間『コンパッション・フォーカスド・セラピー(C FT)』(他者と自分に親切にするセラピー)をテーマに掲げて来ましたが、2023年も引き続きこのテーマを追求していきたいと思っています。来たる3月にはまたオンライン・ワークショップ・シリーズ第7回を開催予定ですので、ご期待ください。
本年初投稿は、昨年暮れに観劇したミュージカル『聖なるかな』のご紹介です。
2019年、ミュージカルにあこがれるシニア世代が集まって「半熟座」という劇団を結成したそうです。私の幼なじみのKさんがこの劇団に入団しました。彼女、大学退官後のちょっとした趣味として演劇を始めたのかなと思っていましたが、なんと今回、演目『聖なるかな』(作・演出 鯨エマさん/ https://ja.wikipedia.org/wiki/鯨エマ)へ高齢のシスター役として抜擢されました。
昨年末、公演初日、なんとしてもKさんを応援しなければと、もう一人の幼なじみを誘って、新宿区にある小劇場へ馳せ参じました。
役者さんは全員アマチュア、しかし舞台の上で、90分間、歌って踊って飛び回り、喋りまくり、シニアで素人とは思えないほどの出来栄えです。中でもKさんは最高齢、セリフを暗記するだけでも大変でしょうに、大した迫力で、良くこのハードワークをこなしたと感動しました。同世代として、彼女のチャレンジ精神に勇気をもらいました。
おりしもクリスマスシーズンだったので、作者の問いかけは辛口で「本当に救いを必要とする人々に宗教家は手を差し伸べているだろうか?」というもの。祈るだけでは足りない、外へ出ていき、行動で慈愛や思いやりを示さなければと訴えています。
この問いかけは図らずも「コンパッション」の真の意味とも重なります。「困っている人を見て、見ぬふりはできない」「だから手助けしたい」でもそれには勇気がいる。「コンパッション」とは「行動する勇気なんだ」と。